コンサータ
ADHD治療薬のコンサータ
コンサータはADHD(注意欠如多動性障害)の主な症状である不注意、衝動性、多動性の緩和、改善に期待されるお薬です。
日本で承認された当初は小児期に対して使用するお薬でしたが、その後18歳以上への効果も期待されることから18歳以上の成人期への適応拡大の承認を得ました。
コンサータの作用機序
コンサータはメチルフェニデート塩酸塩を主成分とし、脳内の側坐核、線条体、前頭葉という部位に作用していきます。
側坐核、線条体は報酬、快感、恐怖などの感性に重要な役割を果たす部位で、前頭葉は認知機能に重要な役割を果たす部位です。
これらの脳部位において神経伝達の中心的な役割を果たすのが神経伝達物質とよばれるものです。具体例としてはドパミンやノルアドレナリンがあげられます。
神経細胞間のドパミン、ノルアドレナリンの量が増加すれば、その部位の神経細胞の伝達が正常に機能するようになると考えられており、コンサータはその手助けとなる役割を果たします。
コンサータは前シナプスに存在するドパミントランポーターあるいはノルアドレナリントランスポーターに結合し、神経細胞間のドパミン、ノルアドレナリンの前シナプスへの再取り込みの阻害する働きをします。その結果、神経細胞間の神経伝達物質(ドパミン、ノルアドレナリン)が増加し、前頭葉、側坐核、線条体の働きが正常化すると考えられています。
コンサータの効果
コンサータは1日1回、朝に服用します。徐放性製剤のために少しずつ薬の成分がでてくる構造になっています。このため朝食前でも朝食後でもかまいませんが、飲み物と一緒に服用するようにしましょう。
効果は服用後1時間ほどで発現しはじめ、効果持続時間は約10~12時間です。その効果発現時間中において、ADHDの症状である不注意、衝動性、多動性の改善が期待されます。
夜間勤務をしている方や、昼夜不規則な職務についていらっしゃる方は生活時間を専門医と相談し、専門医に指示された用法を守るようにしてください。
コンサータ登録医
コンサータは適正な流通管理と適正使用の推進のために、コンサータの処方を受けられる方はADHD適正流通管理システムに登録することが必要となっています。
コンサータの処方もADHD適正流通管理システムに登録された医師に限られおり、重複投与や不適正な流通を防止し、適正使用の推進が図られています。
このためコンサータを処方できる病院は限られております。
梅田あかつきメンタルクリニックではコンサータ登録医が常時勤務しております。