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ADHDとは

 梅田あかつきメンタルクリニックではADHD専門外来を設けております。

コンサータ処方医が常時勤務しております。当院では大人のADHDの専門医療機関であるため18歳以上の大人のADHDの診断、治療を行っております。

 ADHDとは、注意欠如多動性障害という発達障害のひとつの病型です。発達障害にはADHDのほかにASDとよばれる自閉スペクトラム症や、LDとよばれる限局性学習症などがあります。
 ADHDは「不注意」「多動」「衝動性」を主な症状として発症は生後早期から認められることが多く、持続する性質をもった疾患です。小児期に発見され治療されるケースもありますが、最近では大人になって初めてADHDと診断されるケースが多くなってきています。

 たとえば、小学校生活において、授業中に落ち着きがなくイスに座っていることができない、おしゃべりをしてしまう、友達とすぐにケンカをしてしまう等、多動や衝動性が強く出現している場合は、学校の先生やその両親が気づき、小児科や児童精神科への早期受診につながり、ADHDと診断されます。
 ところが、多動性や衝動性がなく、不注意や集中力低下の症状が中心である場合は、教科書の忘れ物が多い、授業中に居眠りをしてしまうといった具合に、その人の性格や個性として認識されます。周囲の人間に気づかれずに学校を卒業し、成人して社会にでてから職場におけるケアレスミスが多発したり、不適応が出現してはじめて医療機関を受診し、ADHDと診断されるケースが増えているということです。


 ADHDは子供がなるものと思われがちですが、大人のADHDも少なくありません。大人のADHDは、子供の頃からの症状が残るケースと、大人になって初めてADHDと気づくケースとがあります。

 ADHDは不注意優勢型、多動・衝動性優位型、混合型という3つに下位分類され、診断に至った時点でどういった症状が優位に認められるかによって分類されています。成人期ADHDの90%以上に不注意症状を認めるという報告があります。


 就学期に必要とされる能力が記憶中心なのにたいし、就労や社会生活の場面では、自らの実行計画にしたがい、優先順位をつけて効率よく業務をこなしていくことが大切となってきます。このような社会生活の場面で何らかの違和感や不全感を覚えて受診するケースが多くなっています。

 

 例をあげれば、昔から忘れ物が多かったが就労してからも大切な約束をついうっかり忘れてしまったり、約束の時間に間に合わなかったりといったことがあります。また集中力が続かず、ひとつの業務を遂行中に別のことが目に入り気になりだすと、優先順位をつけることができずに他の作業に移行してしまい、本来の業務を放置してしまうようなケースもあります。職場のデスク周りが整理できずに物をよく紛失したり、自宅の部屋の整理整頓ができず、散らかった状態が何か月も続いているというケースもあります。

 これらの行動やふるまいは、程度の差はあるものの、誰もが思い当たることもあるとおもわれます。ところが、こうした症状のために本人の努力不足やだらしない性格などと誤解されたり、職場などで上司や同僚に指摘、叱責を受けることが頻回に及ぶ場合は、大人のADHDが疑われるため、心当たりがある場合は早めの受診をおすすめいたします。 

大人のADHDの症状

ADHDの方にみられる主な症状を以下に示します

・仕事などでケアレスミスをする、または綿密に注意することが難しい

・会議や会話、あるいは長い文章を読むことに集中し続けることが難しい

・聞き間違い、早合点、うっかりミスをする

・やらなければいけないことを先延ばしにする

・集中しようとしているときに、見るモノ、聞くモノに注意をそらされる

・外からの刺激で気が散りやすく、無関係な考えが浮かぶ

・書類やレポートの提出期限に間に合わない       

・忘れ物、失くし物が多い、日々の活動で忘れっぽい

・しょっちゅう探し物をしている

・待ち合わせ時間や約束時間に遅れる

・計画をたてるのが苦手、課題や活動を順序だてて行うことができない

・二つ以上の作業を同時進行で行うことが苦手

・時間配分が苦手

・作業に段取りをつけられない

・整理整頓が苦手で部屋の中が片づかない

・掃除、洗濯、買い物が要領よくこなせない

・思ったことをすぐに発言してしまう

・お金の無駄遣い、衝動買いをしてしまう

ADHDの原因

 ADHDは脳の機能の発達・成熟にかたよりが生じた結果、症状があらわれると考えられていますが、それがなぜ起こるのかは、よくわかっていません。
 ADHDでは神経伝達物質であるドパミン、ノルアドレナリンが不足し、神経伝達に異常がおこっていると考えられています。神経伝達物質が不足すると前頭前野とよばれる大脳の前側の部分の機能が低下することにより実行機能が低下し、「物事を順序だてて行う。」「優先順位をつける。」といったことが困難になってきます。また報酬系機能の低下により自らの意思や行動にブレーキをかけることが困難となり、「待つことができない。」といった衝動性、多動性に起因する行動となって現れるといわれています。

大人のADHDの診断

 まずはADHDの症状の有無を確認します。職場や学校などの社会生活の場だけではなく、日常生活でもADHDの症状が出現していないかを問診にて確認します。

 このとき職場の上司や同僚からの意見は参考になりますし、日常生活においては同居している家族やパートナーからの情報も診断の参考になります。

 幼少期のころの生活の様子も診断の手掛かりとなります。可能であればご両親から子供のころの様子をお聞きして医師にお話しすることも診断に役立つことがあります。

 小学校時代の通知表などにも学校の先生からの意見が含まれていることがあり、診断の手助けとなることがあります。大人のADHDでは前述したとおり、大人になってから症状が表面化しているため、幼少期には全く症状が表出していない場合も考えられます。自己判断はせずに専門医の受診をおすすめいたします。

 来院してからはCAARSとよばれる自己記入式の補助診断ツールを使用する場合があります。これによりADHDの中核症状である不注意、多動性、衝動性のほか、関連する症状や行動を量的に評価します。

大人のADHDの心理社会的治療

 ADHDの治療は「心理社会的治療」と「薬物療法」の併用により自分の行動をコントロールできるようになることが治療の目標です。
 心理社会的治療とは、自分の行動の特徴を理解し、状況に応じた適切な行動を取れるようになるためにしていくものです。自分の特性を理解し、それを補うため生活環境や人間関係づくりをします。
 たとえば「時間管理ができない」といった場合は携帯やスマートフォンなどのアラーム機能を利用したり、作業を始める時間や持続する時間をあらかじめ決めておくという対策をとります。「忘れ物や失くし物が多い」といった場合は、置き場所を決めることや物の出し入れをする場所を決めることで忘れ物を減らすことができます。持ち物は玄関のドアノブに掛けておくなど、かならず目のつくところにおいておくのがポイントです。

ADHDの薬物療法

 中枢神経を刺激して脳内の神経伝達物質(ドパミン、ノルアドレナリン)を増やしADHDの不注意や多動などの症状を抑えます。気分の落ち込みが強い方や感情のコントロールが困難な方には気分安定薬を併用する場合もあります。以前は小児期、思春期青年期のADHDに対する限定的な薬剤がほとんどでしたが、現在は成人のADHDにも使用できる薬剤が増えています。

​コンサータ

(メチルフェニデート塩酸塩)

 コンサータはメチルフェニデート塩酸塩を主成分とするお薬です。コンサータにより神経伝達物質(ドパミン、ノルアドレナリン)の働きを活性化することによりADHDの症状である不注意、衝動性、多動性などを改善すると考えられています。具体的にはコンサータがドパミントランスポーター、ノルアドレナリントランスポーターに結合し神経細胞間のドパミン、ノルアドレナリンの再取り込みを防ぐ働きをします。その結果神経細胞間のドパミン、ノルアドレナリンの量を増やし前頭葉、側坐核、線条体の働きを正常化すると考えられています。コンサータは1日1回午前中に服用し、服用後1時間ほどで効果が発現しはじめます。コンサータの効果持続時間は約10~12時間程度と考えられています。梅田あかつきメンタルクリニックではコンサータ登録医が常時勤務しております。

ストラテラ

(アトモキセチン塩酸塩)

 ストラテラはアトモキセチン塩酸塩を主成分とするお薬です。ストラテラもコンサータ同様に神経細胞間の神経伝達物質(ドパミン、ノルアドレナリン)の量を増加させ、不注意、衝動性、多動性などを改善させていきます。コンサータとの違いは効果発現までの時間と効果の持続時間です。ストラテラは徐々に薬の効果がではじめるため、服用開始から効果を実感できるまで約1カ月程度かかるといわれています。効果の持続時間は服用を継続することで24時間持続させることができるため、朝目覚めたときから睡眠中もずっと薬剤の効果が発揮されています。

インチュニブ

(グアンファシン塩酸塩)

 インチュニブはグアンファシン塩酸塩を主成分とするお薬です。コンサータ、ストラテラとは異なる作用機序で、前頭前皮質における情報伝達を増強させ、ADHDの症状である不注意、衝動性、多動性などを改善すると考えられています。効果発現までの時間と効果の持続時間はストラテラと同様で、継続して服用することでインチュニブの効果を維持させることができます。インチュニブはコンサータ、ストラテラと併用して服用を継続することも可能です。

 これらの薬剤を中心として薬物療法を行い、場合によっては気分安定薬、抗不安薬、抗うつ薬などが併用される場合もあります。


 ADHDには高率な併存障害が存在することも報告されています。ADHDに加えて他の精神疾患に罹患しているということです。発達障害の二次障害ともよばれ、うつ病、双極性障害、不安障害、社交不安障害、睡眠障害等です。

 大人のADHDに対しても最近は薬物療法が可能となっており、薬剤の選択肢も増えています。ADHDの治療は薬物療法だけではなくライフステージを通した様々な支援が必要となります。症状の程度によって社会支援を中心とした環境調整をメインで治療していく場合もございます。ADHDの症状にお心当たりのある方はおひとりで悩まずにお気軽にご相談ください。

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